2018年 08月 15日
イーストウッド月間Part3 |
いやはや、イーストウッドの守備範囲が広すぎです。
W杯初戦を突破したチームは、翌朝マンデラが収容されていた監獄を見学に行く。 そこで彼らが見たのは狭い部屋に粗末な寝具、小さな窓からは土埃のたつ中庭の作業所。 27年間、マンデラはここにいたのだ。
W杯、ボクスは勝ち進み、国民は一体となってボクスを応援するようになって行く。 そして、決勝戦はニュー・ジーランドの強豪「オールブラックス」。 世評では勝ち目はなし。 マンデラはマット君に獄中彼を支えた詩「インビクタス」を手渡す。
映画の中では、最後の太字部分が何度か繰り返し出てくる。 この詩で心震えない人がいたらそんなやつとは付き合いたくない。
イーストウッドは映画のなんたるかを知り尽くしている。 ここはイーストウッドに身を任せて、思い切り泣いていいのだ。
そしてなんと、オールブラックスを破って南アフリカが優勝するのは実話である。 ボクスは全員で国歌斉唱をするのです。
いやぁ、映画っていいですねぇ。
今月、東京「桜舎」で開催、絶賛受付中です。
今日はマット・デイモン君が出た2作品『ヒア アフター』『インビクタス/負けざる者たち』。
まずは『ヒア アフター』
大津波による臨死体験をしたフランスの女性ジャーナリストと、手を触れただけで相手のことが分かってしまう霊能者。
マット君は霊能者の役です。
彼は霊能者としてのオファーを断り、一般人として工場で働いている。
にぃちゃんは弟のマット君に霊能者の仕事に復帰させたい。
だって、その方がお金になるからね。
マット君はそういうのにも嫌気がさしている。
料理教室で知り合った彼女も、マット君が霊能者とわかると
「私のことも見て」
と言う。
マット君は渋々彼女を見るんだけど、彼女が父親に性的な虐待を受けていたことがわかる。
彼女はマット君の前から姿を消してしまう。
一方、不倫相手と南の島に旅行中、大津波に遭って、臨死体験をする美人ニュースキャスター。
ちなみにこの津波のシーンは迫力だった。
どうやって撮るんだろう。
今の映像って想像を絶しますね。
さて、彼女は臨死体験後、何かが変わってしまい、ニュースキャスターの仕事を干されてしまう。
不倫相手とも別れる。
そして、執筆しようとしていたドゴールについての本は、いつしか臨死体験の本になっていく。
もう一つのピースが、麻薬中毒の母親と暮らす双子の兄弟だ。
ある日、兄は交通事故であっけなく死んでしまい、残された弟は死んだ兄に会いたいと切望する。
この過程で、この少年はマット君を知るわけです。
この少年が、マット君と臨死体験美人を繋いでいく。
ラストで彼ら異能者同士が出会う。
やっとわかる人に会えてよかったね。もう一人じゃないね。
となるわけです。
『シックスセンス』を見たくなりました。
さて真打はこちら。
『インビクタス/負けざる者たち』南アフリカのネルソン・マンデラ大統領のお話です。
モーガン・フリーマンがマンデラ大統領、マット君はラグビーの南アフリカ代表チーム「ボクス」の主将。
マンデラは大統領として殺人的なスケジュールをこなす日々。
彼を支えるスタッフたち。
スタッフの中でも白人と黒人の軋轢が度々繰り返される。
そうした中、マンデラは彼らに終始にこやかに接し、ユーモアを忘れない。
新しい南アフリカ共和国として、国民一丸となるためのものが必要と考えるマンデラ。
それはラグビーのW杯で優勝すること。
しかし、代表チームの状態は不甲斐ないものでした。
そこでマンデラは主将のマット君をお茶会に招待します。
氣さくなマンデラ大統領の真摯な思いを受け止めるマット主将。
マンデラの人柄に感銘を受けたマット君はチームのメンバーに国歌を覚えるよう提案する。
メンバーに黒人一人だけ。
大半の白人メンバーは「国歌なんか覚えられるかい」と渡した紙を丸めて捨ててしまう。
マンデラは過密スケジュールの中で、メンバーの顔と名前を覚え、激励に行った際、一人一人に声をかけ、名前を呼ぶ。
これでグッとこない人はいないでしょう。
スタッフ内の白人と黒人の関係も少しずつ変化をしていく。
「インビクタス-負けざる者たち-」詩
作者:ウィリアム・アーネスト・ヘンリー(イギリスの詩人)
私を覆う漆黒の夜
鉄格子にひそむ奈落の闇
私はあらゆる神に感謝する
我が魂が征服されぬことを
無惨な状況においてさえ
私はひるみも叫びもしなかった
運命に打ちのめされ
血を流しても
決して屈服はしない
激しい怒りと涙の彼方に
恐ろしい死が浮かび上がる
だが、長きにわたる脅しを受けてなお
私は何ひとつ恐れはしない
門がいかに狭かろうと
いかなる罰に苦しめられようと
私が我が運命の支配者
私が我が魂の指揮官なのだ
今日も長文おつきあいいただき、ありがとうございました。
●老猫専科
【前編】08月25日(土)
【後編】08月26日(日)
両日共13:30~16:40(開場・受付13:15~13:25)
8/25(土)17:30〜19:00 「キャットシッター1992年」
創業秘話、こっそりお話します
8/26(日)17:30〜19:00 「日本の身体6」
旬の思想家内田樹センセの視点を探りながら、ワイワイ♬
by cs-nanri
| 2018-08-15 10:12
| 映画と舞台と美術館