2019年 03月 11日
イーストウッドPart19「運び屋」 |
イーストウッドの「運び屋」を観て。
イーストウッドよ、いったいどこまで進化をするんだ?
と思い、笑ってしまいました。
お茶目でオンナ好きのおじいちゃんがイーストウッドです。
予告映像の重苦しい雰囲気はほとんどなくて、軽快に物語は進みます。
どんなことがあっても、「アリー スター誕生」のブラッドリー・クーパーのように落ち込んだり、滅入ったりしない。
「朝鮮戦争に行ったんだ。おまえら若造になんか脅されてビビるわけない」
そんな感じで、言いたいことを言い、好き勝手をするおじいちゃん。
そのひとのよさに思わず笑っちゃいます。
「グラントリノ」は素晴らしかったけど、「運び屋」は軽さを加えた中に風刺が効いている。
アメリカという国が抱えるいろんな問題を盛り込みつつ、
声高の批判ではないイーストウッドの考えが表現されて、押しつけがましくない。
老成したフィルムメーカーのなせる技でしょうね。
主人公の生き方はイーストウッド自身と重なる部分も多いようです。
音楽の使い方がさすが。
エンドロール、最後の最後まで聞きほれました。
ブラッドリー・クーパーとのやりとりは師匠と弟子のようでした。
バトンを渡せる相手がいてよかったねと生意気にも思うのです。
隣に座ったおばちゃまと涙するタイミングがいっしょで、これもおかしかった。
劇場全体が静かに涙し、微笑んで終わるそんな作品。
イーストウッドはまた高みに上ってしまったんだと思います。
きっと死ぬまで成長し続けるんだな、すげぇ。
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by cs-nanri
| 2019-03-11 07:30
| 映画と舞台と美術館