2020年 02月 09日
東京滞在記 イーストウッド「リチャード・ジュエル」観るべき映画 |
新宿トーホーシネマズで観た「リチャード・ジュエル」、感動、感激、感謝の作品。
イーストウッド監督、どこまで深化していくのだ!
来年も再来年も作品で彼の声を聞きたいと心から思う。
映画の予告には、ド派手なアクションもイケメンも出てこない。
醜い太った白人男性が困った顔をしている、なんか面白くなさそう。
いっそイーストウッドを出したらよかったのに。
しかし、東京オリンピックを控えた今だからこそ、この映画を観るべき。
人種や階層、外見等、じわじわとあらゆる差別がひろがっていっているような今だからこそ。
アトランタ五輪の爆弾テロ事件で冤罪になりかけたリチャード・ジュエルが主人公。
プロファイリングの暴走、私欲に走る女性記者、出てくる、出てくる。
ホッとするのは彼を支えるワトソン弁護士、そしてキャシー・ベイツ演じる母親。
マスメディア、国家権力の怖さをグイグイ、テンポよくみせるイーストウッド。
ちなみにイーストウッドは出演していない。
最初、ゲッと思ったリチャード・ジュエルがストーリーが進むにつれ、彼の応援団になっていく。
英雄から一転して容疑者扱い、オーマイガーな急展開にも静かなリチャード・ジュエル。
ついに感情を爆発させるシーンにこころで拍手する。
そして、FBIで彼は語る、怒りではなくあくまで誠実に。
強烈な反撃だった、胸のすくことばだった。
キャシー・ベイツの母親役、彼女、イーストウッド作品に出られた誇りに輝いている。
ラスト、清々しい氣持ちになる、これが映画だよ、うん、よかった、よかった。
イーストウッド作品は音楽がいいのでぜひエンドロール最後まで聴いてください。
こんな素晴らしい作品、上映期間が短いのはいかがなものか。
by cs-nanri
| 2020-02-09 08:40
| 映画と舞台と美術館