2020年 02月 11日
東京滞在記 映画のだいご味「フォードVSフェラーリ」 |
昨日は日比谷で「フォードVSフェラーリ」を観てきました。
もうね、映画はこうじゃなければなりません。
「血沸き肉躍る」ってやつです。
レーシングカーに乗っているような感覚、そのスピード感は半端ない。
CGなしの圧倒的迫力。
怖いくらいでした。
タイトルは「フォードフェラーリ」ですが、実質はフォード内部の戦いでもある。
裏のタイトルは「フォード組織VS雇われのはぐれ狼チーム」ですよ。
はぐれ狼のキャロル・シェルビー(マット・デイモン)とケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)コンビは「ザ男の友情」。
真剣になぐりあいのケンカができる仲、うらやましいと感じた人も多いのではないか。
ケンの妻がいい。
余計な介入はせず黙って見守る。しかし、必要とあれば真剣に訴える。
レーサーのケンを隣に乗せて、車をぶっ飛ばし、ケンをビビらせるシーンが最高。
「頼むから車を止めてくれ」
これ、大きな伏線ですな。
レース中、ケンが飲むのは紅茶。
イギリス人なのだ。
ケンカのあと、キャロルといっしょに飲むのはコーラ。
妻が差し入れに持っていったのは瓶ビール。
ケンの息子ピーターの描き方も素敵。
大好きな父、しかしどこかで事故の予感をかんじながらそばにいる。
切なく、いとおしい。
キャロルの私生活は一切描かかれていない。
だからケンの家族の絆がいっそう素晴らしいものに映る。
フォードの社長を乗せてぶっ飛ばすシーンも印象的。
220キロのスピードなんて、私なら失神してるわ、ブルっ。
絶叫寸前、口パクパクになりいながら、フォード2世が言うことば。
「父親をこの車に乗せたかった」
キャロルの賭けが勝った瞬間だ。
不可能に挑戦する熱い男たちの物語。
観ているほうも燃えます、燃えます。
まだ燃える火種があるってことかもしれません。
あとですね、音楽かっこイイです。
買っちゃおうかな。
主人公のマット・デイモン、クリスチャン・ベール、若くはないふたりのシブくてピュアな目つき。
いまどきチャラいイケメンなんて吐いて捨てるほどいるわ。
こういう骨太のオトコ映画を待ってたんだな、とわかります。
「歴史を変えようぜ」
きめのセリフもカッコイイですわ。
イーストウッドの「リチャード・ジュエル」と併せて必見の映画です。
by cs-nanri
| 2020-02-11 05:47
| 映画と舞台と美術館