2021年 07月 25日
夏の読書『河合隼雄全対話 ユング心理学と日本人』 |
『河合隼雄全対話 ⑴ ユング心理学と日本人』
対談者は遠藤周作、中村雄二郎、小此木啓吾。
いまのところ浦神は夜エアコン要らず。
朝方も涼しいので、パジャマのまま本を読み、つい没頭して、氣がつくと寝落ち、なんてことをやってます。
今朝、ちぃちぃ、トーマが道場に遊びに来て、なっちゃん久々にカァー。
猫たちのいる空間で、河合隼雄を読む、ごくらく、極楽。
河合センセと小此木さんの会話にピピピとくるものがありました。
まず「オートノミー」という言葉が出てきて、調べたら自律性というような意味。
河合センセは云う。
日本人のオートノミー、それは多神教と一神教、違う神を背後にいただいているものが関係を切らないことが愛だと思っているのではないかと。
例えばゼウスとアテネなら本来は喧嘩になる。
ところが喧嘩をせずに、もちろん妥協もしないけれど、関係も切らない。
なんとかつないで行こう。
つないでいるうちに、ゼウスもアテネも変わるかもしれないし、また違う神が出現するかもしれない。
こういうことを我々は矛盾とは思わずに、日常でやっていますもんねぇ。
日本神話でもはっきりした対決を回避し、騙し討ちや逃走とかが多い。
それでも、したたかに生き抜き、新天地で融合していいく。
だだ、今回の五輪をみていると、外圧に屈しやすい体質なことは明らか。
国民の声は聞かないが、世界からの抗議等には「ハイハイー」と誰かの首を切って禊を済ませたと思い込む。
都合の悪いことはすぐに忘れる、なかったことにする。
これが小さな島国の生き残り作戦なんだろうか?
世界に対して道理を通す、自己の主張を堂々と表明することなしにきてしまったツケなのか?
よい面とそうでない面が浮き彫りになっている今、再び河合隼雄。
高く大きく広い視点で人間を見つめ続けた人。
河合センセがたくさん本をのこしてくださってホントによかった、と思う。
by cs-nanri
| 2021-07-25 08:52
| 本がなければ