2023年 01月 10日
「土を喰らう十二か月」唐津散歩 |
唐津の映画館その名も「シアター ENYA」、上映中の「土を喰らう十二か月」を観てきました。
シネコンで上映されるような作品はあまり興味がないので、車で20分の場所にこうした映画館があることは私にとって大きな歓びです。
この映画、小坂章子さんからお薦めされたもの。
水上勉原作、沢田研二主演、料理監修が土井善晴。
居心地のいい椅子で、余計なことを考えずに作品に見入りました。
以下、思いつくまま感想、多少ネタバレ含むかも。
俳優沢田研二、そしてエンドロールで流れるジュリーの澄んだ歌声、素晴らしかった。
松たか子の食いっぷりも見事。
死生観の映画でもあります。
あるときから、主人公の勉は毎晩、
「みなさん、さようなら」
と言って就寝します。
義母の葬式後に出す「通夜ぶるまい」のシーン。
素人さんはやっぱり素人なんだなぁ。
俳優さんはそれだけスゴイって思いました。
天地の恵みである食材もさることながら、器も素敵でした。
台所がこれまた、いい。
座敷箒と雑巾がけのお掃除シーンも好き。
からだを動かすと腹が減る……。
ホント、ホント。
妻と義母の遺骨を湖に散骨するシーンも沁みる。
仏壇や玄関に飾った野の花。
万年筆で書いた原稿用紙の文字。
竈で炊いたごはんをおひつに移すこと。
梅の実のヘタ取り。
犬のサンショ用の器。
生きることは食べること。
死ぬまで食べる。
唐津の小さな映画館で見た最初の作品、忘れません。
鑑賞後、映画館が入っている複合施設・唐津KARAEのなかにあるカフェでランチ。
KARAE TABLEはブックCaféでもあるらしい。
「玄海町産穂州鯛のポワレと唐津野菜のデリの贅沢プレート」、丁寧に作られていておいしゅうございました。
食後に唐津の街をぶらぶらと散策。
城下町らしい町並み、唐津くんちの町。
銀座のママが経営する骨とう品屋さんや豆腐専門店、旧佐賀銀行、佐賀焼器店など、糸島とは違った魅力です。
糸島文化は若く活氣にあふれ、おしゃれな感じ。
唐津は歴史が息づき、そこにモダンをいい具合に取り入れている。
背景にセンスのいい仕掛人がいるんでしょうね。
実は映画の前に「唐津うまかもん市場」で買い出しもしました。
糸島は「伊都彩菜」という産直市場が有名ですが、こちらも同じくらいの規模。
ところ変われば品変わるで、ご当地の旬野菜や今が最盛期のイチゴをゲット。
高速(無料)に乗ればすぐと分かったので、また行きつけが増えた。
帰りは虹の松原ドライブ。
どうして、私はこんなに虹の松原が好きなんだろう。
何度走っても毎回ワクワクします。
虹の松原を抜けて、糸島に向かう海沿いの道もいい。
今日もいい日だった~と思いながら帰ってきました。
by cs-nanri
| 2023-01-10 09:56
| 映画と舞台と美術館