『血脈』読了 |
おはようございます。
今朝は薄曇りで、ちょっと肌寒い。
猫バスケットの敷物を洗濯、風に揺れる外干しリネンたちが寒そうです。
昨日、佐藤愛子の『血脈』下巻を読了。
最後までグイグイ読ませる筆力、佐藤愛子、恐るべし。
この作品は佐藤愛子65歳のとき連載をスタートし、完成したのは70歳を超えてからだそう。
なんといっても、佐藤家メンバーのキャラが濃ゆい。
父の佐藤紅緑は『ああ、玉杯に花うけて』を書いた国民的人氣作家。
この作品、読んだことはないけどタイトルは知ってる。
このお方、20歳下の女優に入れあげて、妻を追い出し、四人の子どももほったらかしにする。
この女優が佐藤愛子の母(シナ)で、紅緑を愛さぬままズルズルと離れられない関係を続ける。
紅緑の子どもらは全員不良となり、怠惰な生き方で結婚はしても、もれなく愛人を作りといった、まぁ、しょうもないヤツら。
長男が「リンゴの唄」「ちいさい秋」を作詞したサトウハチローで、これまた父同様に家庭を顧みず、常に愛人多数で周囲を振りまわし続ける。
あとからあとから事件が起きないことはない佐藤一族。
すんごいエネルギーで周囲をも翻弄していく。
ところがそれが習性となってしまった佐藤家では「またなの?」といった感じで動揺しなくなる。
愛子がダメ夫の多額の借金を引き受けるシーン、
「お願いだからやめて~、そんなバカなオトコのためにお金使わんといて~」
とやきもきしながら読んだ。
正直あまりにも庶民感覚とは乖離し過ぎて、感情移入できる人物はいない。
己のなかに、多少紅緑的な面や愛子的な面があるとは思いますが……。
猪突猛進のミョウコウなら、おとこ氣の愛子にもっとも共感したであろうと思われ……。
余談ですが、ミョウコウは生前、
「鼎談するなら瀬戸内寂聴と美輪明宏」
と言ってました。
ジブンを何様だと思っていたのやら、ハハハ。
ともあれ、韓ドラの財閥ものが人氣なのと同じく、やはり有名人の私生活をのぞき見したい部分をくすぐられる『血脈』上中下、たいそう面白うござういました。
昨夜からは再び内田樹で、『街場の日韓論』を読み始めました。
今日は、宮沢賢治『おきなぐさ』ZOOMの準備です。