2023年 07月 08日
『星の国星』の諏訪野時夫 |
おはようございます。本著では、ル・グィン作、村上春樹訳の『空飛び猫』も紹介されている
最初に読んだときは、理解するまで到達せず、でした。 二十数年経った今、やっと内容が分かるようになりました。 「とろかし猫」という章、人のこころをとろかす猫として、谷崎の『猫と庄造と二人の女』のリリーが登場する。 コレ、夏子を彷彿とさせるんですよ、いやはや。
あと、大島弓子の『綿の国星』も取り上げられているんですが、ここで新発見。 チビ猫を拾う予備校生は須和野時夫。 この名前が、なんと「すわ、というとき」を示している、と。
時間は同じ速度、同じ厚みをもって平板に流れているともいえるが、ある個人にとって、「すわ」というときがあって、そのときに呑氣に構えて居たら大変なことになり、取り返しがつかない。(中略)思春期は「すわ!」の連続である。チビ猫は毎日毎日「すわ!」と感じて生きている。
全然、氣づかなかったですわ。 大島弓子先生、改めてリスペクトでございます。
『猫だましい』に登場する作品を全部読み返したくなるので、実は禁断の書ですが、読み返せてよかったです。 そして、このタイミングで夏子の物語にかかる。 これはもう河合センセの術にはまってしまったというしかない。 雨の日の重なり猫~
こちらは2000年に出版された河合センセの『猫だましい』。
by cs-nanri
| 2023-07-08 11:58
| 本がなければ