2023年 12月 04日
『「老いる」とはどういうことか』河合隼雄 |
おはようございます。
昨日は近くのコミュニティーセンターで、中村哲さんのドキュメンタリー映画『荒野に希望の灯をともす』を鑑賞してきました。
医師が戦火のアフガニスタンに用水路を作る。
ふるさと福岡の山田堰を参考にした堰作り。
実際去年に山田堰を見たこともあり、胸が熱くなりました。
そして、10歳になったばかりの次男さんが脳腫瘍で亡くなっていたことも初めて知りました。
これでもか、これでもかと襲いかかる出来事を前にしても中村さんは常に静かに微笑み、語っていました。
河合隼雄『「老いる」とはどういうことか』の中に、山折哲雄さんがマザー・テレサに会ったときの印象が書かれています。
ほんとうの聖者というのは、活動的で快活な人間ではないのか。
そして、思い通りにならないときや苦しいときは、「一晩中でも祈ります」と。
この2つのバランスこそが聖者の姿としてふさわしいように感じられる。
人は己のなかに、老若男女すべてを兼ね備えていて、場面場面でそれらが強く出たり、弱くなったりするみたいですね。
結局、このバランス感覚を磨くことが生きる修行ってことかもしれません。
同じく本書からいくつか引用しますね。
死はきわめて非日常のことであり、きわめて日常のことである。
これなんかは今回なっちゃんの死に関して強く感じていることです。
わりと早い時期から、なっちゃんの死を意識していたせいもあり(それは病氣とかの要因ではなく彼女の存在の尊さからきていたと思うんですが)、実際に亡くなったときの喪失感があまりない。
嘆き悲しむのではなく、ちょっと不遜な表現になるかもしれませんが「夏子との関係をやり遂げた」という感じ。
だから、死に反発することなく、死を受容できる。
体力がなくなったとしても年代に応じた新しい工夫をすることによって、常に創造的であり続けことができる。(老いの初心、多田富雄との対談から)
ワタシは「ショロー、ショロー」ゆうてますが、老いを卑下しているわけではない。
老いて初めて分かることを楽しんでいるつもりです。
あぁ、そういうことだったのか~、というのが実に多い。
「老いは未知の道」
この言葉も本書にありました。
老いも死も、未知だからワクワクします。
老いに関するハウツーやマニュアルはあっても役に立たない。
なぜなら、ひとりひとり違うから。
参考にする程度にとどめ、あまりそれらに縛られないほうがいいと思ってます。
老いも多様性があるってことです。
今、韓ドラ「まぶしくて」という面白いドラマを見ています。
25歳のヒロインがある日75歳になってしまうという展開で、いやはや共感の嵐。
75歳のなかにある25歳の部分、25歳に戻った瞬間に思い起こす75歳の心境。
見方を変えることで、見えてくるもうひとつの真実。
今週も目の前のことをひとつひとつ丁寧に、頑張りすぎずにやっていきましょう。
今日もご機嫌元氣な1日を。
by cs-nanri
| 2023-12-04 09:55
| 本がなければ